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石手内科通信

不登校をどう考える?医療機関における不登校支援とは

石手内科通信
目次

不登校について

長く児童精神科の診療をしていると、不登校の相談は年々増えていると感じます。
文部科学省の調査では、下記のように不登校の児童生徒は年々増えており、特にコロナ禍以降に爆増しております。

令和に入って、約2倍になっています。

 

不登校支援の考え方とは

実は、児童精神科や小児精神科はもちろん、小児科にも不登校相談はたくさんあります。
学会でも不登校に関して、シンポジウムや教育講演がたくさん行われています。
2024年10月17~19日に愛媛県松山市で開催された第65回日本児童青年精神医学会総会でも、話題になっていました。
そこのシンポジウムを聴講し、不登校支援の方法について以下のような話題がありました。

  • 長期的視点型:主にほめることで心のエネルギーをため、自然な登校を待つ支援
  • 再登校重視型:子どもの心理状態が育つことを待つ。子どもが自分について考える時間を増やすことで登校意欲を高める支援

主に病院では長期的点型、不登校支援団体は再登校重視型が多いと話されていました。
また、第3の道として、行政との連携、ICT、家族支援なども話題になっていました。

 

学校の先生からの意見

学校の先生とお話しする機会はたびたびあります。

学校の先生方からは、

  • 以前より学校に来られない子が増えている。
  • 病院に相談したあと、“まずは休みましょう”となり、そのまま長期間学校とつながれなくなるケースもある。

という声を聞くことがあります。
特に下の意見は、けっこう強い本音としてぶつけられましたので、どう対応したらいいのか悩むところです。

医療側からの意見としては、認識の相違がけっこうあり、例えば「学校に入れば楽しそうにしています」という先生の認識も、子どもからは「かなりギリギリなんです…」という子も少なくないです。また、先生との相性は本当に大事で、学校の先生が一生懸命してくれて頑張れているけど、学年が変わると先生も変わり、「学校」には慣れない子も少なくありません。

 

病院で行う不登校支援

不登校になりたくてなっている子どもって、そんなに多くないと感じています。
むしろ、学校に行きたいのに行けない…そんな子どもが多いと感じています。
なので、病院で行う不登校支援では、

  • 子どもの不安に対して向き合う
  • 現在の生活状況の確認と生活の立て直し
  • 子ども自身の発達面、精神面の評価
  • 本人に合う生活の提案
  • 学校とのつながりに関する検討

という形が多いです。
なによりまず、本人の支援が一番です。
そのため、学校への登校をどうするかに関しては、回復の順番を考えると優先順位は後の方になってしまいます。
先ほどの「長期的視点型」になるかもしれません。
本人の心理的状態を診察しながら、家庭と学校でどんな支援なら続けられるのかを一緒に整理することが大切です。
地域のリソースを検討しながら、連携できるところも探します。
居住地によって少し支援の内容も変わってきますね。

 

受診のタイミングは?

ご家庭の考え方によって様々ではありますが、よく相談されるものに、以下のような事象があります。

  • 欠席・遅刻・早退が増え、学校生活に参加できていない
  • からだの不調(頭痛・腹痛・吐き気など)が続いている
  • 学校の話題により強い不安や恐怖、流涙したりパニックになったりする
  • 昼夜逆転や睡眠の乱れが顕著になる
  • 気分の落ち込みが続いている
  • 自傷や暴力など、安全面の心配がある

上記のような状態も、決して珍しいことではありません。
不登校は、本人の心身がこれ以上の負荷に耐えられないというサインです。
本人の現状を、「甘え」や「やる気がない」と断定しないことも大事です。

 

年齢で異なる不登校の状態

  • 幼児〜就学前(3〜6歳):登園しぶりで出現。分離不安や感覚過敏などもきっかけとなります
  • 学童期(6〜12歳):小学校という集団生活への入りにくさ学校における日常的な出来事(叱責、いじり行為)の延長線上で不登校となりやすい
  • 思春期前半〜中期(13〜15歳):他者と自分を比較する、対人評価を気にする、学業の負荷、部活やSNS上の人間関係などが関連しやすい
  • 思春期後期(16〜18歳前後):進路・自立が現実化した一方での悩み、睡眠や体調、メンタルに関する問題も起きやすい

上記はほんの一例ですが、不登校は多くの場合、本人の性格特性と、 環境の負荷(学校・家庭)が混ざって起こります。

背景を整理すると、支援の優先順位が決めやすくなります。

 

 

受診について

当院はホームページからWebでの予約が可能です。
不登校のご相談に関しても、低年齢のお子さんの場合は小児科でお受付します。
思春期以降のご相談は児童精神科でお願いいたします。

このように入り口を分けているのは、医師の経験というのもありますが、思春期以降は子どものこころの病気が増える傾向にあります。


こちらはJAMA Psychiatry誌に掲載されている、若年者の精神疾患に関する調査結果です。
世界疾病負担研究(Global Burden of Disease:GBD)研究のデータを用いて、世界の5〜24歳の25億人超を対象に横断研究が実施されています。
この表からも分かるように、低年齢では
不安障害
発達障害(ASD、ADHD、知的障害)
などが心配される疾患ですが、思春期以降はうつ病が増えてきます
そのため、当院では思春期以降は精神疾患の発症も視野に入れて、サポートをいたします。

受診の方法について、わかりにくいことや、詳しく知りたいことがあるかもしれません。
気になったかたは、お気軽にお電話でお問い合わせ下さい。